企業分析

SmartHRはいま転職すべき会社?良い点と懸念点の解説

本日は人事・労務クラウドSmartHRへの転職を考える際に考えたいことをしてみたいと思います。いまSmartHRに転職するメリット・デメリットを解説します。
※記事内のスライドは公式の採用サイトから引用しております。

SmartHRはどのような会社か

どのような事業をやっているか


SmartHRは人事・労務に関する手続きを自動化するSaaSです。
会社の労務・人事などの部門は、雇用契約や入社手続き、年末調整などの多様な労務手続きが紙面などで行われてきて、営業の効率化などに比べて、効率化がかなり遅れていました。

いまだに年末調整の時に、手書きの紙をもらって会社に提出している方も多いのではないでしょうか?
そのような紙でやる必要ないことは労務・人事において非常に多くあり、それらをオンラインで一括して処理できるようになったのがSmartHRです。

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どのような組織か


社員数は2021年7月時点で442名です。未上場ベンチャーにしてはかなり人数が多いと言えます。

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SaaS型のビジネスの場合、事業規模が大きくなるほどセールス、カスタマーサクセス、エンジニアが必要になるため、社員数が多くなりがちです。構成割合を見てもSmartHRもまさにその通りですね。

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また、ベンチャーとして珍しいのは複数の支社が国内にあることです。
求人を見ると本社(東京)、支社(大阪・名古屋・福岡)と国内に4拠点あるようです。

支社の役割は特定エリアに特化した顧客獲得、顧客支援だと思います。
今でこそ、オンラインで商談することが一般的になったとしても、労務や人事というのは旧態依然とした組織であることが多いので、オフラインの商談を顧客が臨むことも多いと推察できます。

そうすると主要なエリアでは、支社を設けて、マーケティング・セールス・カスタマーサクセスの機能を設けて、現地の中小企業や大企業に直接オフラインの営業(フィールドセールスという)を行うことが効率的に獲得できるとの仮説があるからだと思われます。

数年前まではこのように支社を置いてなかったはずなので、SmartHRとしてもまだ検証段階にあると思いますが、顧客の環境を考慮して、オフラインにシフトしていくというのは、非常に正しい戦略だと思います。
実際に獲得コストであるCPAと顧客からの収益であるLTVがあうか、というユニットエコノミクスの検証はまだ道半ばかと思いますので、今後の事業展開には注目したいですね。
(東京以外の場合、ベンチャーで働くというのはまだハードルが高いので、採用は苦戦しそうです)

いまSmartHRに入社すると「良い点」

①事業が非常に成長している事業の成長率は国内のベンチャーでもピカイチです

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SaaS企業は、米国株式市場でのIPOの最低水準とされるARR100億円を意識することが多いです。成長率でいっても、カナダのshopifyのARR成長ペースを上回っており、このままのペースが続けば2年程度でARR100億円に達するイメージですね。

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また、現在3万社以上がサービスを利用しているようですが、月次MRRベースで解約率は0.4%を下回っているとのことで、一度契約した方はほとんど解約しないということです。月次の解約率は一般的に2%〜3%でも優秀と言われる中で、この水準は驚異的です。

それだけ、顧客の課題にしっかり向き合って、プロダクト開発をしている、カスタマーサクセスがしっかり支援しているということですね。

②国内有数のユニコーン企業として、数年以内にIPOを経験できる

2021年6月8日にベンチャー界隈は騒然としました。SmartHRが156億円を調達して、バリュエーション約1,700億円をつけたからです。
上記で示したとおり、事業成長率が非常に高いのも理由ですが、国内で数社しかいないと言われる、未上場で時価総額約1,000億円企業、いわゆるユニコーン企業となりました。

さらに、Sequoia Capital Global Equitiesなどの海外投資家を今回のラウンドからさらに入れてきて、IPOでのグローバルオファリングを意識した資本政策にシフトしています。
そのことから見ても数年以内に上場する可能性が非常に高いです。

大型のIPOを行う前の資金調達方法として海外投資家を入れて、上場時にお金が集まりやすいようにするのが一般的です。
なお、上場準備で必要な内部監査などの求人を公開していることからも上場の可能性を推測できます。

ユニコーンやこれだけの成長企業は国内で希少でその理由があるわけです。まさに他のベンチャーはその理由、社内でどのような施策をやっていたか、など内部情報を喉から手が出るほどほしがるのです。
そうするとSmartHRで働いていた経験は非常にプラスになり、転職の時にいろいろな会社から声がかかりやすいです。

③給与水準は高めなので、条件を下げないでも入社できる

事業が成長していること、会社としての方針として給与は同じステージの会社に比べて高い方です。
中央値の年収でも618万円が実績で、昇給もしっかりしているようです。

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ただ、一点注意点があります。
転職の際にどのように給与が決まるかというと明確に市場価値としての年収に依存するようです。
CEOの宮田さんのTwitter見ると、採用プロセスでは現職の年収は聞かない方針になっているので、大企業などで年功序列的に年収が高くなっている方は市場価値に見合わない年収になっている可能性が高く、条件が下がる可能性は高いです。

こちらはSmartHRに限らないのですが、メンバークラスでベンチャー未経験に年収800-1,000万円はほぼ出ない可能性高いので、良くも悪くもそれが実態かなと思います。

いまSmartHRに入社する上で「気をつけたい点」

①ストックオプション(以下、SO)には期待できない

これから入社する場合に、入社時のSOはもらえないようです。
以前もお伝えしたように、リスクをとってくれて早い段階で入社してくれた方にSOを付与することが一般的ですので、SmartHRにおいてもステージが進んで現時点ではSO付与しない方針になりました。

それにはいろいろ理由があります。
SOの発行割合は発行済株式総数の10%程度という標準ラインがあること、新規で発行すると既存のSO持分が希薄化すること、現ステージのSOは権利行使価額が高く従業員利益が少ないことなど。
基本的には、多くのレイターステージのベンチャーも同じ方針であることが多いです。

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経済的に成功するということは今のステージでの入社では、難しいと思いますが、いま得られる経験とポジションなどを比較してみて、自分が一番重要視することを基準として判断しましょう

リスクをとってSOで一攫千金を狙いたいというのであれば、シードやシリーズAくらいの会社にいったほうがいいです。もちろん上場可能性はSmartHRより相対的に低くなりますし、うまくいってもそのステージからだとさらに+ 3〜5年くらいは覚悟した方がいいです。

SOにはベスティング条項という段階的に行使するように設計されていることが多いので、すべて権利行使できるのは上場2年後が一般的です。
なので、さらに+2年という感じで、うまくいってもSOのキャッシュが手元に入るのは最低5年後です。
(レイターステージの会社にM&Aして、買収企業のSOもらうなどのレアケースで期間が縮まる場合もある)

皆さん興味あるところだと思うので、この辺りは僕のSO行使実績も公開して、また別で記事書きますね。

②経営陣やシニアマネジメント層に行きたい場合は難易度が高い

すでにある程度、経営陣やシニアマネジメントはもっと早い時期に入ったメンバーで構成されています。
SmartHRではない同じようなレイターステージの会社で、たとえばリクルートの執行役員だった人がシニアマネジメントで入社したなどの事例をいくつか知っていますが、そのくらいのハイクラスではない限り、いきなりシニアで採用はされることはないです。

もちろん、メンバーとして入ってそこから実力で上でにあがっていくことは可能です。最初はマネージャーとして入って、そこから上にあがっていくのがルートとしては会社としても、入社する側からも良いかなと思います。

アーリーステージの会社のように、いきなり執行役員や部長として入るということはほぼないかなと思います。

③比較的整備されていることも多いので、超カオスを経験したい人には向かない

課題はまだ無数にあると思いますが、優秀な先人が築いてきたオペレーションが他のレイターステージに比べて整備されていると聞きます。
採用力があって、優秀な方が多く集まっているので、基本的な業務オペレーションなどは結構効率化されています。

大企業ほど何もかもがマニュアル化されているわけではないですが、何もかもない状態から立ち上げていく環境に挑戦していきたいということであれば、シリーズBくらいまでのアーリーステージの会社にいきましょう。

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