経営

【経営理論】企業組織のあり方と経営理論【理解と実践】

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今日は企業組織のあり方と経営理論です。

経営学とは組織の学問である

組織とビジネスは一蓮托生であり、経営学の「組織論」はマクロとミクロに分かれる。

マクロ組織論:組織を一つの単位と見なしてそのあり方を考える分野
ミクロ組織論:組織内での個人の行動や、上司と部下の関係、チームのあり方などを探求する分野

この時、企業組織の存在範囲すなわち「あるべき姿」はどのように規定されるのか。
この問いを突き詰めると「企業組織はなぜ存在するのか」という問いに行き着く。そしてこの問いを考えて行くための思考の軸となるのが経営理論だ。

今世界には「企業組織の存在範囲を規定する5つのドライビングフォース(駆動力)がある。そのため今回は経営理論が示す5つのドライビングフォースを整理した上で、未来の企業組織のあり方を述べる。

組織とは、企業とは

組織の定義:事業部門や政府部門など、特定の目的を持つ人々の組織化されたグループ
企業の定義:商品・サービスを製造・販売するビジネス組織

企業の存在範囲を決める5つのドライビングフォース

  1. 効率性(取引費用理論が中心)
  2. コンピタンス(RBV,ダイナミック・ケイパビリティ,リアルオプション)
  3. パワー(SCP理論,資源依存理論)
  4. アイデンティティ(認知心理学ディシプリンの理論,制度理論)
  5. ネットワーク(ソーシャルネットワークの理論が中心)

時代とともに変化する、あるべき組織の姿

ティール組織(teal)という言葉を聞いたことのある方も多いだろう。ティール組織とは経営思想家が提示した未来の組織の理念型のことだ。

その経営思想家は自身の著書で人の心理の重要側面は変化しており、それが組織の有り様に影響を与えてきたと主張している。
具体的には「『①レッド(衝動型)組織』→『②オレンジ(達成型)組織』→『③グリーン(多元型)組織』→『④ティール(進化型)組織』」となる。現在は③で未来は④になるとの予想だ。

仮にこの4段階の進化を是とすると、先の経営理論のドライビングフォースを踏まえた視点と合致することになる。

  • 中世:パワーの時代(レッド組織に相当)

人類が文明を持ってから中世に至るまで、組織のドライビングフォースとなっていた中心は「パワー」だった。

  • 産業革命以後:効率性の時代(オレンジ組織に相当)

人類は資本主義を発明する。この仕組みがイギリスの産業革命を後押しし、19世紀以降の米国の経済的な台頭をもたらし、明治期以降の日本の経済的飛躍を促した。

この時代に求められるのは「効率性」のドライビングフォースだ

  • 21世紀:認知・アイデンティティとネットワーク中心性の時代(グリーン組織に相当)

21世紀に入って不確実性が高まると世界中でスタートアップが乱立し、企業の「多産多死」が加速する時代に入った。どの企業もがイノベーティブになって、新しいものを生み出さなければ生き残れない。

ドライビングフォースになるのは「認知・アイデンティティ」と「ネットワーク」の組み合わせだ。そしてこの流動性が高い世界で組織を牽引するには求心力としてのリーダーのビジョンと企業アイデンティティが欠かせない。

だからこそ現代の経営リーダーにはフォロワーが共感できるビジョンが求められる。

  • これからの未来:中心のないネットワークの時代(ティール組織に相当)

未来の組織はどうなるのか。未来でも「ネットワークと認知の組み合わせ」が重要なドライビングフォースと考える。

ただ現在との違いはテクノロジーの発達である。テクノロジーの発達によって人のやる仕事は「より自らの自由意志で、企業の境界線を超えて動き回り、そこで新しい価値を生み出す」ことになっていくはずだ。
「知の深化」はAIに任せ、人は「知の探索」に専念する世界である。

結果として何が起きるかというと、様々なネットワーク上のノード(人)が、他のノードと多様につながる組織になる。
一方、中心がない組織でのビジョンは価値観(バリュー)ベースになるのではないだろうか。動詞ではなく形容詞的な認知アイデンティティだ。

中心がない組織では、仮にリーダーがいてもその役割はサーバント・リーダー的なものになるのではないだろうか。

中心のない自律分散ネットワークの組織

ティールが進展するのは社会にブロックチェーン技術が広く実装された後となるだろう。

これからの未来では株式市場メカニズムを前提にした資本主義すら再考を求められるかもしれない。

ティール組織は一人ひとりが自分らしさを求める中で、中心のないネットワーク系で全体を俯瞰しながら緩やかにつながるコミュニティのようなものだ。従って人は組織のためではなく、自分が面白いこと、楽しいこと、やりたいことのために働くので、プロジェクトベースになっていくと考えられる。

組織を規定する5つのドライビングフォースをもとにすると、現在の株式会社のあり方にすら思考は飛躍する。

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