ProgLearn講座

【経営理論】ストラクチャル・ホール理論-後半-【理解と実践】

世界標準の経営理論(著:入山 章栄 早稲田大学大学院・ビジネススクール教授)の理解を深めるために、内容のまとめをアウトプットしていきます。

世界標準の経営理論/入山章栄【合計3000円以上で送料無料】
価格:3190円(税込、送料無料) (2020/5/18時点)楽天で購入

今日はストラクチャル・ホール理論の後半についてまとめます。
前半はこちら

ストラクチャル・ホールを活かしきる条件

ソーシャルネットワーク上におけるSHの有用性は明らかだが、実は制約もあることを忘れてはいけない。
SHを効果的に活かすには条件があることも明らかになっており、今回はその中でも重要な2点を取り上げる。

1.どのようなプレイヤーと繋がるか

SHを挟んで繋がるプレーヤー間の特性だ。異なるタイプのプレーヤー間のブローカーになることが重要となる。

理由は2点あり、1点目は「ブローカーの優位性はソーシャルネットワーク上の多様な情報・知見が入ってくること」にある。
同質のプレーヤーとつながっていては、多様な情報が入りにくい。

2点目は、同質のプレーヤー間でブローカレッジを行うと、ネットワーク上の他プレーヤーとの信頼関係が損なわれる可能性がある。
アメリカの学者が世界の化学メーカー97社のSHを計算して、イノベーション成果との関係を統計解析した結果「SHの豊かな位置にいる企業の方が、むしろイノベーション成果が低い」と明らかになったのである。
これは従来のSHの通説とは真逆だ。

この結果を学者は「ネットワーク上で繋がる企業が「競合相手」でもあるので、SHの豊かな企業がそれを利用して自分だけが得をすると、むしろ周囲との信頼関係を失い、自身のパフォーマンスも落ちてしまったのではないか」と分析している。

2.SHを維持するか、埋めるか

次にSHを維持するか、埋めるかの選択も深く検討する必要がある。
実は「イノベーションを実現するためには、自らが積極的にSHを埋めた方が良い」と主張する研究も出てきた。
異なる知見を持つABを直接つなげてしまい、そこに自身(C)も入り込むことで、高いイノベーション成果をあげられるというのだ。

この点は今後のネットワーク社会を考える上でも、極めて重要な点だ。
結局のところ、SHをどう活かすかは「SHから我々が何を得たいか」に直結するということだ。

一般に、自身のみの便益(private benefit)を優先するなら、SHは埋まらない方が良い。
一方、あえてSHを超えて人と人を繋げれば、ネットワーク上のメンバー全体のメリット(public benefit)にもなりうる。

いずれにせよ、まずはSHを作り出すことが重要なのは間違いない。

バウンダリー・スパナー

では、SHを生み出す人となるにはどうすれば良いのか。
それはバウンダリ・スパナーになることだ。

バウンダリー・スパナーとは境界を超える人のことだ。
この人の役割はブローカレッジそのもので、異なる企業・組織・分野・業界の結節点になっている人がバウンダリー・スパナーとなる。
まさに情報の結節点だ。

具体的には「企業と企業の境界を超え、離れた別のクラスターの人々と繋がること」をすれば、バウンダリー・スパナーとなることができる。
バウンダリー・スパナーは経営学で企業イノベーションを創出するため「部門間で異なる言語、価値観をうまく翻訳しながら、部門間の調整やコンフリクトの解消を実現する役割」として注目されてきた。

まさに[1.異なるプレーヤーを繋ぎ][2.自身のメリットだけでなく][3.ネットワーク全体のpublic benefitを追求する]役割だ。

\面白いと思ったら/

記事のシェア & Twitter のフォロー をお願いします!

@proglearn
RELATED POST

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です