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【経営理論】知の探索・知の深化の理論①【理解と実践】

世界標準の経営理論(著:入山 章栄 早稲田大学大学院・ビジネススクール教授)の理解を深めるために、内容のまとめをアウトプットしていきます。

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今日は知の探索・知の深化の理論①についてまとめます。

経営の本質は両利きを目指すこと

「現在の日本企業にはイノベーションが足りない」とよくメディアで語られているが、その理由は両利きの経営ができていないからである。

[知の探索・知の深化の理論①]では両利きの経営とは何か、なぜ日本企業はそれができていないのかについて触れる

イノベーションと組織学習

イノベーション=広義の組織学習の一部。
両者本質:何かを経験することで学習し、新しい知を得て、それを成果として反映させること

新しく得られた知の成果が極めて革新的な場合:イノベーション
改善のような小さな前進を実現する場合:組織学習

組織学習の循環プロセス

経営学では組織学習を一連の循環プロセスとして捉えている。

そのプロセスは以下の図のように3つの要素で構成され、各要素を繋ぐ3つのサブプロセスに分解できる

組織学習の循環プロセス

サブプロセス① 組織・人・ツール→経験

組織・人は何らかの意図を持って行動し、その結果、経験する。

組織は限られた認知を広げる経験をするためにサーチや知の探索を行う。

サブプロセス② 経験→知

組織はその経験を通じて、新たな知を獲得する。それには3つのルールがある。

知の創造(knowledge creation)

組織は経験を通じて新しく知を生み出す。経験で得た知と自身が既に持っている既存の知を組み合わせて新しい知を生み出す。

知の移転(knowledge transfer)

人・組織は自ら知を生み出さなくとも、外部から知を手に入れることができる。(例:技術提携)

代理経験(vicarious learning)

新しい知の獲得は、組織自身の経験だけから得られるとは限らない。(例:人の振り見て我が振り直せ)

サブプロセス③ 知→主体

サブプロセス③を総称して組織の記憶(organizational memory)と呼ぶ。新しく生み出された知は、何らかの形で組織に記憶されなければならない。

組織の記憶プロセスは以下の2つに分解されて議論される。

知の保存(retention)

組織に知を保存させること。手段は組織メンバーの記憶、書面、ITツール、製品、サービスなど多岐にわたる。

知の引き出し(retrieval)

記憶された知は必要に応じて引き出される必要がある。トランザクティブ・メモリー・システムで解説する。

知の探索・知の深化とは何か

知の探索・知の深化理論:イノベーションを説明するための最重要理論。全てのビジネスパーソンの思考の軸となる。

知の探索:自分の現在の認知の範囲外にある知を探索し、それをいま自分の持っている知を新しく組み合わせること

知の深化:徹底的に深掘りし、何度も活用して磨き込み、収益化すること

知の探索だけではビジネスにならない。知の深化をすることで収益性のあるビジネスとなり、企業に持続性を持たせる

コンピテンシー・トラップ

企業が直面しがちな問題:知の探索を怠り、知の深化に傾斜する
理由①:知の探索は自分の認知の範囲外に出ることだから経済的、人的、時間的にコストがかかる
理由②:不確実性が高く、失敗に終わることが多い。

その点、知の深化は既存知の活用であるため、確実性が高くコストも小さい。
組織・意思決定者にとって深化に傾斜する方が短期的に見た場合は合理的となる。

日系大企業によく見られる例

イノベーションに大企業が取り組んでも以下のような流れで失敗することが多い

①新規事業開発部・イノベーション促進部の立ち上げ
②多大な予算を回されても2-3年では結果が出ない
③「成果が出ない」という理由で予算が回ってこなくなる
④かわりにいま確実に儲かっている事業に予算を回し始める

知の深化はできるが知の探索はできないので、中長期で見た場合の競争力は落ちる自己破壊である。

まさにコンピテンシー・トラップに陥っている

コンピテンシー・トラップ

知の探索を怠って、短期的な利益を出しやすい知の深化に傾斜すること

結果、中長期的にみるとイノベーションが生まれず、持続的な競争力を保てなくなる

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