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【今が買い!?】理論株価算出:日産編③【株価算出方法の解説】

こんにちは、日産の理論株価を1,129円〜1,365円と導き出した方法について解説しています。

前回①前提条件の設定、②予想PL,BS,FCF作成を説明したので、今日はその続きです。

  1. 前提条件の設定
  2. 予想PL,BS作成からの予想FCF作成
  3. WACC算出
  4. ターミナルバリュー・事業価値の算出
  5. 理論株価算出

③WACC算出

WACC(Weighted Average Cost of Capital:加重平均資本コスト)を算出します。

WACCの算出式は以下の通りです。

WACC=株主資本コスト × E/D+E +有利子負債資本コスト × (1 – t) × D/D+E
*E:時価総額 D:負債 t:税率

この式を完成(?)させるために以下の4ステップ踏む必要があります。
順を追って説明します。

  1. 株主資本コストの算出
  2. 有利子負債資本コストの算出
  3. 資本構成の検討
  4. WACC算出

1.株主資本コストの算出

CAPM(キャップエム)を使って株主資本コストを求めます。

株主資本コスト = rf + (rM – rf)β
*rf:リスクフリーレート rM – rf:マーケットリスクプレミアム β:対象企業リスク

今回は以下の通りになりました。

株主資本コスト = -0.04%(20/2/17現在) + 5% × 0.85(20/2/3現在)
        = 4.21%

2.有利子負債資本コストの算出

社債を発行していればその金利、していなければ格付け期間が発表している金利を適用します。

日産は社債を発行していました。

今回はこちらの記事を参考にして、10年債0.8%としました。

3.資本構成の検討

最適な資本構成を検討しますが、これは非常にテキトー(?)な感じです。

同業他社の資本構成を調査、平均値算出後、WACC算出式に当てはめるだけ。従って同業他社に含める企業によってもだいぶ変わってしまいます。

今回は一応トヨタ・ホンダ・フォルクスワーゲン・ダイムラーにしました。
結果はこんな感じ

D/Eレシオは1.8と高めですが、自動車製造業の特性上仕方ないですね。あまり問題視する必要もないと思います。

ただフォルクスワーゲンはちょっと高すぎる気がしますけど笑

4.WACC算出

さあ材料が揃ったので早速WACCを算出しましょう。

[計算式]
WACC=株主資本コスト × E/D+E +有利子負債資本コスト × (1 – t) × D/D+E
*E:時価総額 D:負債 t:税率

[材料]
株主資本コスト:4.21%
有利子負債資本コスト:0.8%
実効税率:30.62%
E/(D+E):31.83%
D/(D+E):68.17%

[計算]
WACC = 4.21% × 31.83% + 0.8% × (1-30.62%) × 68.17%
    = 1.34% + 0.38%
    = 1.72%

④ターミナルバリュー・事業価値の算出

TV(ターミナルバリュー)

まずTV(ターミナルバリュー)を算出しましょう。以下の式で算出できます。

TV = FCF10*×{(1+g)/(WACC-g)}
FCF10*:FCF11以降のFCFを算出するためにFCF10時のNOPLAT-運転資本増加額を用
     いる。長期的には減価償却費内で設備投資を行うと想定されるため、減価償却
     費と設備増加額の合計は0となって無視できる
g:永久成長率

すでにWACCは算出できているので、残りはFCF10*とgを求めるだけです。

[FCF10]
前回の記事で作ったFCFを使います。FCF10は以下の通りになっていました。

従ってFCF10*は以下のようになります。

FCF10*=200,946-38,993=161,953

[gについて]

gは0%-1%の間で設定します。インフレ率と同じにすることも多いです。

今回は0.4%としました。

TV算出

それでは材料が揃ったのでTVを求めましょう。

TV=161,953 × {(1+0.4%)/(1.72-0.4%)}
  = 12,334,526百万

事業価値

各年度FCFの現在価値を求めて合算します。FCF10だけはFCFとTVを足した値を現在価値に割り引きます。

割り引く時には先ほど算出したWACCを使います。つまりWACCが各年度の割引率になるのです。

日産の場合は以下の通りになりました。

事業価値:11,472,974百万円です。

⑤理論株価算出

さあこれでようやく理論株価を出すことができます。

理論株価は以下の式で求められます。

(事業価値 + 非事業価値 – 負債) ÷ 発行済株式総数(自己株式を除く)

事業価値は先ほど求めたので、残りは予想BSからコピペするだけです。その結果以下の通りとなります。

(11,442,974 + 1,876,550 – 8,075,828) ÷ 4,220,715,112

そして↑の式の答えが理論株価1,242円です!

但し、理論株価はズバリ何円!と求めることはできません。なぜなら既にお気づきかもしれませんが、WACC・gなどの値によって大幅に変動するからです。

しかもそれらの値は割とテキトーに決められています。従って幅を持たせることが重要です。
今回はWACC±0.1%,g±0.05%の幅を持たせてTVを算出しました。

各TVに合わせて算出した事業価値・理論株価がこちらです。

この場合、値幅は966円〜1,589円になります。これだと幅が広すぎるので、値幅表や今後の情勢などを鑑みて決めます。正直感覚ですね。

私は2a,3a,1c,2cを除いた1,129円〜1,365円を理論株価としました。

最後に

次回は日産自動車のROICやROA,ROEを用いて各種指標の分析をしてみます。

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