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【アシックス編】コーポレートファイナンス独学者が理論株価を算出してみた【予想P/L,B/S編】

こんにちは、今日は理論株価算出のファーストステップ「予想P/L 予想B/S算出」編です。

私みたいな初学者にとってはここが一番大変だと思います。

  1. 予想P/L 予想B/S算出
  2. 予想FCF算出
  3. 予想投下資産(算出表)作成
  4. 予想ROIC算出
  5. 株主資本コストの推計
  6. ターミナルバリューの算定
  7. 事業価値の算定
  8. 企業価値・株主価値の算定

なぜ予想P/L B/Sが必要なのか

理論株価を算出するさいには将来対象企業が生み出す価値を求めなくてなりません。

なぜなら株を買う投資家は対象企業の過去の実績に惚れ込んでいるのではなく、
「この企業の価値は数年後◯◯◯円になっているだろう」と将来性を見込んでいるからです。

対象企業の株を買うか買わないか判断する際の目安になるのが理論株価です。

当てずっぽうで「数年後には企業価値◯◯円になるだろうから、今の株価は割安だな」と判断するわけにはいきません。

お金を投じるわけなので、投資判断には納得できる根拠が必要となります。

その「納得できる根拠」を作る際の土台になるのが予想P/L B/Sです。

予想P/L B/Sを作成してからあらゆる指標を算出して、最終的に理論株価を求めます。

用意した資料

予想P/L B/S作成

今回は10期分作成します。

算出方法は項目によって異なります。具体的には「実績値をそのまま引用」「売上高比率で算出」「別途算出」の3パターンです。

でも最初の1年目さえ作成してしまえばあとはコピーすれば大丈夫です。

早速私が作成した表を参考にして説明していきます。

予想P/L

  • 売上高

最も重要な指標である売上高

算出方法は様々です。
例えば先日ご紹介した参考書ではメガネトップの売上高を「店舗数×1店舗当たり売上高」で算出していました。

アシックスの場合は同じ方法でできないので、直近数年間の売上高成長実績を用いることにしました。
調べてみるとアシックスは2014年に決算月を3月から12月に変更していたので、2014年度〜2018年度の4年間の成長実績を用いました。

具体的な算出方法は以下の通りです。
{(386,662/354,051)-1}/4=2.3%

従って、今回の売上高成長率は2.3%を採用しました。

  • 売上原価(減価償却費を除く),販管費(減価償却費を除く),減価償却費

これらの項目は全て売上高比率で算出しました。ただ、売上高比率を求めるためには少しだけ数字いじりする必要があります。

それは売上原価,販管費から減価償却費を抽出することです。
減価償却費を両項目から抽出しないとFCF・ROICツリーを作成する際に二重計上が生じてしまうので、別途算出します。

しかしながら売上原価,販管費内の減価償却費の詳細金額はわからないので、簡便的に両項目の比率で分配することにしました。

減価償却費抽出方法
-売上原価:販管費 比率
売上原価比率:206,048/(206,048+170150)=54.8%
販管費比率:1ー54.8%=45.2%

-売上原価(減価償却費を除く)
206,048-(9,893×54.8%)=200,627

-販管費(減価償却費を除く)
170,150-(9,893×45.2%)=165,678

-減価償却費
9,893

尚、返品調整引当金戻入額・返品調整引当金繰入額は省いています。

売上高比率算出

-売上原価
200,627/386,662=51.9%

-販管費
165,678/386,662=42.8%

減価償却費
9,893/386,662=2.6%

  • 営業外収益

受取利息・受取配当金・その他は全て実績値を採用します。

  • 営業外費用

支払利息はB/Sで短期借入金を固めないと算出できないので後回しです。
その他の項目は実績値をそのまま用います。

尚、「為替差益/差損」「補助金収入」「特別損益」は計算から除外します。

  • 実効税率

今回は上記の資料に基づいて30.62%で計算します。
でも多くの参考書で用いられている様に35%で計算しても大丈夫だと思います。そこは人の嗜好によります。

予想B/S

  • 流動資産

全て売上高比率で算出しました。
面倒なので単純に売上高と割って算出した項目は説明省きます。

-必要手元資金
売上高の約1ヶ月分を想定:売上高比率8.5%

-余剰現預金
(現預金ー必要手元資金)/売上高:9.2%

-売掛金:売上高比率17.3%

-たな卸し資産
(商品及び製品+仕掛品+原材料及び貯蔵品)/売上高:23.0%

-その他流動資産
(繰延税金資産+その他+貸倒引当金)/売上高:4.3%

  • 固定資産

投資その他の資産だけ実績値です。

-有形固定資産:売上高比率8.8%

-無形固定資産:売上高比率2.2%

-投資その他の資産
固定:21,060

  • 流動負債

短期借入金は最後に算出します。

-買掛金:売上高比率8.1%

-一年以内返済予定の長期借入金
実績値:0

-一年以内償還予定の社債
有報に記載無:0

-リース債務:売上高比率0.2%

-未払費用:売上高比率4.7%

-その他流動負債
(未払法人税等〜その他の合計値)/売上高:4.0%

  • 固定負債

-社債
実績値:20,000

-長期借入金
有報に記載無:0

-リース債務:売上高比率1.3%

-その他の固定負債
実績値:15,612

  • 純資産

利益剰余金以外全て実績値

後回しにしていた項目の算出

今後回しにしている項目は「支払利息」「短期借入金」「純利益」の3項目です。

これらの項目の数字を固めるには、先ず短期借入金を固める必要があります。
なぜなら
B/S:「短期借入金の数字から「有利子負債平均額」を算出」

P/L:「利子率を掛けて返済利息を算出」

P/L,B/S「当期純利益を「利益剰余金」に加算」
の流れで進めるからです。

-短期借入金
今回は実績値とほぼ同額の「運転資本1%」にしました。これは参考書に記載の数字と比較すると極めて少ないです。

試しに参考書記載の数値で一度計算してみたのですが、支払利息が多額になりすぎて最終赤字になってしまったためやめました。

〈計算式〉
運転資本=必要手元資金+売掛金+たな卸資産+その他流動資産-買掛金-未払費用-その他流動負債

短期借入金実績値/運転資本実績値≒1%

-支払利息

2018年度実績値から先ず有利子負債平均残高を算出します。

参考書記載の求め方は
(期首有利子負債残高+期末有利子負債残高)/2
だったので、以下の通り求めました。

〈計算式〉
{(前会計年度短期借入金残高+長期借入金残高)+(今年度短期借入金残高+長期借入金残高)}/2
{(5,570+100)+(1,325+149)}/2= 3,575.5←有利子負債平均残高

続いて利子率

有報記載の返済利息=749
有利子負債平均高=3,575.5

749/3,575.5≒21%

これで各年度FCFの支払利息が算出できます。

-利益剰余金
これは単純な足し算、引き算です。

〈計算式〉
前年度利益剰余金+今年度純利益(or純損)-配当金

上記の式で算出可能です。

配当金は「有報記載の一株あたり配当額×発行済株式数」で算出します。

各年度FCFでは資産合計値と負債純資産合計値でギャップが生じてしまうので、その値は剰余金で調整します。

その他

2018年度実績値を有報通りに入力しても何故か資産合計値と負債純資産合計値でギャップが生じると思います。

私もこれのせいで少し悩みました。恐らく有報記載の数字は百万単位なので、四捨五入されていることが原因です。

私は余剰現預金、その他流動資産の両項目でそのギャップを調整しました。

どのように対応するかはお任せします。

最後に

超長くなってしまって申し訳ないです。笑

でもアウトプットしていて気づきがあったので、他の初学者の人たちも予想P/L,B/S作ったらアウトプットすることをおすすめします!

参考書で解説していることの本質を少しずつ理解できているような気がします。

次回は1/10「予想FCF算出、予想投下資産(算出表)」です。
多分こんな長文にはならないと思います。

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